これは、乳歯の前歯AAです。よーく見てください。歯と歯の間が少し白いですよね。これは、「虫歯のなりかけ」です。簡単に言うと、虫歯は、突然すぐにポッコリ穴が開くわけではなくて、最初は脱灰といって、歯が白っぽくなるとところから始まります。こういうのを隣接面う蝕といいます。お子さんの前歯のを見てあげてください。もし、見つけた場合は早めに歯医者さんを受診しましょう。歯と歯の間の虫歯の予防について、歯医者さんは、デンタルフロスや糸ようじを使いましょうと指導します。写真は、Y字型の糸ようじタイプのフロスです。色々なタイプがあります。 正直言うと私は、矯正歯科が専門ですので、私より詳しいことをご存知な先生方はたくさんいるとは思いますが、少し、勉強したことを書かせてください。Ekstrand1)という先生が書いた面白い論文です。「歯と歯の間の虫歯の進行を歯肉の状態によって予測できるかどうか?」について書かれています。論文には、歯肉炎が隣接面う蝕進行の指標となると示唆しています。すなわち、「歯ぐきが腫れている人は、歯と歯の間の虫歯が進む可能性が高いですよー。」と言っています。特に歯ぐきが腫れっぽい人は、よくプラークコントロールする必要があるのと同時に、歯と歯の間の虫歯について糸ようじやフロスを使いましょう。
1) Eksttrand KRら Plaque and gingival status as indicators for caries progression on approximal surfaces.Caries Res 1998;32;41-45.