昨日日曜日は、甲北信越矯正歯科学会が新潟市でありました。その中の発表で、歯を抜かなくては治らない症例なのに無理やり非抜歯矯正/床矯正による不適切な矯正が行われている成人女性の症例を見ました。学会に来てる矯正歯科医なら誰が見ても治っていないとわかるくらいひどい矯正治療でした。本当に患者さんは、不憫で仕方がありません。そして、発表した先生は、最後に「こういったビジネスモデルがなくなればいいと思います。」とはっきりおっしゃっていました。
すなわち「抜かなくてもなおるよー」とか、「床タイプの装置だから、取り外しができて、簡便な装置ですよー」とか、「夜だけ使ってもらえば治ります。」「本格矯正より安いですよ」とかそういう患者さんに聞こえのいい宣伝をして、患者さんを集めることです。治らないのに。患者さんは、素人ですので治っていないのに、治っていますとでも先生に言われているのでしょうか?
たまに新聞の下の本の宣伝広告に「~したら、ガンが消えた」とか「~したら痩せた」とかそういうのが、出ていますが。それと一緒です。実際、矯正歯科に関しても、本屋さんに行くと、そういった類の本はたくさんあります。(もちろん、ちゃんとした専門家の先生が書いている本もありますが)事実、うちにも1年い1回くらい東京の出版社から、「先生本出しませんか? 出版すると矯正患者さん増えますよってー」営業の方から電話が来ることがあります。実際は、患者さん一人一人違います。いくら宣伝だからといって、あたかも、どんな症例でも「抜かないで治ります。」とか、「簡便な装置で治ります。」は、無責任な宣伝だと思います。
以前、当医院に来た患者さんで、「ひどい矯正治療」(H21/6/11ブログ)で書いた、治ってない患者さんのことが頭に浮かびました。