マウスピースを使った矯正装置を安易に患者さんに薦める先生が、日本中にいます。矯正の専門医でなくとても患者さんの歯型を取って、技工所に送れば、技工士さんが作ってくれるからです。
でも、診断と適応症を間違えると大変なことになります。そして、その仕上がりは、治ってない場合が多かったり、後戻りしたりします。
実際、わたしも一般歯科医によって行われたマウスピースの矯正の後戻りの症例を、結局従来の表側のブラケットという装置をつけて治療した経験があります。
今年の冬に、ある患者さんが、マウスピースタイプの矯正装置を希望して来院されました。大抵の場合は、「適応ではないので無理です」ということになります。
しかしながら、今回はインビザラインを適用してもきちんとした仕上がりになると判断しました。
その理由は、以下の通りです。
・歯列のでこぼこが、軽度ある。
・臼歯部の咬合がしっかりしている。
・口元、プロファイル(横顔)に問題ない。
そして、
「マウスピースでは、歯を厳密に動かすことについては、難しい場合があるので、マウスピースの治療の後、必要に応じて従来の補助的な装置をつけさせてもらう場合があります。」
「歯と歯の間を0.2~0.3mmほど削合します。」
に同意いただいたので、検査して印象をとって、クリンチェックを行いました。
そして、ようやく、すべてのマウスピースが出来上がり、来週から装着して、歯を動かし始めます。
当医院で、第1号症例となります。ので、現在、スタッフが、装置の指導や仕組みについて準備、勉強中です。
新潟県上越市 かるがも矯正歯科 院長 新部洋史