MFT(筋機能療法)って知ってますか?
簡単に言うと舌と唇周囲の体操です。
口のまわりの筋肉---舌、口唇および顔面の筋肉---を強くしてバランスを良くし、正しく機能させるためのプログラムです。 訓練により、正しい舌の動きや正しいお口のまわりの筋肉の動きを覚えていって習慣化し、矯正治療の後戻りを防ぎます。
口のまわりの筋肉が弱くバランスが悪いと、舌で前歯が押され、開咬(前歯が開いている)や上顎前突(いわゆる出っ歯)あるいは反対咬合(受け口)といった不正咬合を引き起こすことがあります。また、このような舌の癖があると、矯正治療が順調に進まなかったり、矯正治療後に後戻りすることがあります。
矯正装置をつけなくとも筋機能療法のみで不正咬合がある程度改善することもありますし、矯正治療が成功するために筋機能療法の併用が必要な場合も多いのです。
また、歯ぐきや歯を支える骨が弱ったとき舌の癖があると歯並びが崩れたり、逆に舌の癖によって歯ぐきや歯を支える骨が弱る可能性もあります。
具体的には、普段舌は上顎についていて口唇は楽に閉じ、正しい嚥下、発音ができるようにするのが、筋機能療法の目標です。そして、目的は、軽度な不正咬合の改善、矯正治療の安定性のためのものです。
矯正歯科医、矯正歯科医院の衛生士なら教育を受けたことがあるかもしれませんが、実は矯正を専門としていない歯科医の中ではあまりよく知られていません。
そして、それは、「その程度のもの」だということです。もし、これを一般歯科医の先生が患者さんにやることで不正咬合が予防できるのであれば、全国の歯科医はみんな行っているはずです。
基本的にMFTのみで、不正咬合が治ることは、ありません。(そういう考えが一般歯科医にあるとすれば、それは、ヨーロッパ系の床矯正装置、機能的矯正装置を扱ってた昭和30年頃の矯正歯科医の考えのなごりだと思います?)
アメリカで行われている筋機能療法は、あくまでも形態の改善できる矯正医のもとで行います。もし、矯正治療できない歯科医が、筋機能療法で、不正咬合が治る、予防できるという歯科医がいたらそれは、うそです。それのみでは治りません。目的が違います。
でも、体操と考えれば、するよりしたほうがいいかな?っていうことです。その体操を患者さんに教えますというスタンスが普通です。治りますっていうのは、誇大広告です。
MFT(筋機能療法)を日本に広めた先生で、、筋機能療法士として専門開業(アメリカ)しているZickefoose先生が2年ぶりにこの11月に来日します。教科書には、
1.発音や言語が問題となる場合は、言語の専門家のもとで、筋機能療法が行われるべきである。
2.形態を改善できる矯正歯科医のもとで、筋機能療法は行われるべきである。
新潟県上越市 かるがも矯正歯科(歯並び、矯正歯科) 院長 新部 洋史