先週の11月27日東京で行われた、フランス人Dr.Patrick C. Curielの舌側矯正ハーモニーシステムの認定コースを受講してきました。(Dr.Patrickは、アメリカへの留学経験もありフランス語ではなく流暢な英語で話していました。)
フランスのオーダーメイドリンガル矯正システムです。
日本では平成23年12月1日より導入開始です。その記念すべき日本第1回目のセミナーです。
どうしても、知りたくて東京まで出かけていきました。
会場は、100人以上の矯正医の熱気に溢れていました。
先に日本に導入されたオーダーメイドリンガルブラケットのドイツ人Dr.Wiechmannが開発したインコグニトシステムが、ヨーロッパをはじめフランスで、急速に広まりつつあるそうです。(60%以上)。その短所を治した、後発のシステムということになります。
オーダーメイドのリンガルブラケットは、患者様の歯の形に合わせて作る舌側ブラケットです。
歯の舌側の形は唇側に比べ個人差がとても大きくなっています。従来の既製品を歯に合わせて使うものより舌感が良く、また治療中も装置が外れにくくなっています。
というのは、インコグニトやハーモニーのシステムは、コンピューター上でデジタル化を行いCAD/CAMでブラケットとワイヤーを調和させるシステムとなっています。
そのため、歯にブラケットを合わせ、ブラケットにワイヤーを合わせたシステムとなっています。
この点が、既製のワイヤーに既製のブラケットを合わせ、それを歯に合わせる従来システムとの大きな違いとなります
インコグニート
従来のシステムSTB
舌側治療装置は、あくまでもツールであり、それを使いこなし、患者様を治療するのは矯正医です。
新しいシステムだから上手く治るというものではもちろんありません。
従来の装置で良い治療結果を得られているけれども、患者様がより快適に治療を受けられるなら、新しいシステムをあえて勉強して取り入れて行こうと思い参加しました。
が、しかし、症例をいろいろ見せてもらいましたが、現時点では、自分の臨床に導入することはできないと判断しました。結論から言うと、仕上がりが甘いからです。また、でこぼこ(叢生)や上下顎前突のケースが多い日本人には、このハーモニーシステムは、向かないと判断しました。(現時点では)。おなじ理由で、インコグニートも自分の臨床に取り入れる予定は今のところありません。
新潟県上越市 かるがも矯正歯科(歯並び、矯正歯科、顎変形症)院長 新部洋史