(松風HPより)
ねじです。でも、これはれっきとした、矯正治療につかう「ねじ」です。登場したのは10数年前でしょうか。当時は、一部の先生にしか扱えなかったのですが(ちなみに当時、個人的には大学病院にいたとき1症例だけ、初期のプレートタイプを使った矯正治療を経験させていただきました。)現在、全国的に普及して流行りのような状態だそうです。
なので、普通の歯医者さんで行う歯がなくなった時にやるインプラント「デンタルインプラント」とは全く違います。口の中では、写真のような感じです。痛そうですが。大丈夫です。
(松風HPより)
話は少し違いますが、デンタルインプラントを施術する先生や口腔外科の先生であれば、この矯正用インプラントを打つのなんて容易で簡単なことだと予想されます。しかしながら、いろいろと事情があって、この矯正用インプラント打つのは、矯正歯科医がほとんどだそうです。そして、私も仕方なく自分で打っています。そして、それが結構ストレスです。事前に一生懸命練習します。何でストレスかっていうと、誰も教えてくれないからです。じゃあメーカーの勉強会や講習会に行けばいいじゃんという話があります。しかしながら、事情あって、現在のところ、日本では、その勉強会や講習会は公にはできない状態です。だから、ストレスです。使っている矯正の先生同士で情報交換するしかありません。 この辺が、現時点での最大の問題点です。
これを使った矯正治療方法を「インプラント矯正」と言うのでしょうか?詳しい統一した言い方は分かりません。ホームページで検索すると「インプラント矯正をやってます!!」を謡い文句に宣伝している矯正歯科医院も多々あります。便利なものですが、何でもかんでも、矯正治療でインプラントが必要で利用するのは、おかしいと思います。必要のない症例に使ってもしょうがないです。(意外とそう思っている矯正医は多いはず。)また、インプラントを骨に打ち込む時の患者さんの負担のあります。そして、まだ、世に出て、経験数、症例数は少ないので、あくまでも慎重に行うことが大切だと思うからです。
もちろん便利なものではあります。私は、あくまでも検査して診断で、必要だと判断したときのみ利用する」ことにしています。
どうして、このインプラントを利用すると矯正治療が良くなるのか??ですが、難しい話になりますので書きませんが、簡単にいえば、今までは、矯正治療中に患者さんにヘッドギアー(帽子のようなもの)や口の中の装置にゴムを1日中使ってもらうことがありました。
でも、患者さんにとってみれば大変です。忘れる日もあります。まして、ヘッドギアーなんて、子供ならまだしも、お勤めしている患者さんには、寝ているときにしか使えません。
使える場合は、まだいいですが。。。。そして、患者さんがヘッドギヤーやゴムなどを使ってもらわないと治りが悪くなったり、治療期間が延びたりしてしまいます。このインプラントを使うとそれらが必要なくなる可能性があるということです。
さらに、今まで、手術しなければ治りませんよって言われてきた開咬や偏位の一部の患者さんで、手術を回避できたり。上顎の前歯がよりよく引っ込んだり。。。。その他、いろいろなメリットがあります。
矯正の患者さんで、インプラントアンカーが必要と半年ほど前に診断した患者さんが、今日、治療を希望されて来院しました。ある一般歯科医院で矯正治療の既往があります。顔立ちも良く、歯を抜く必要なないが、インプラントアンカーが必要だと診断した重度の過蓋咬合(上の歯が、下の歯を咬みこみすぎている。)の患者さんです。
新潟県上越市 かるがも矯正歯科 院長 新部洋史