初診です。小学6年生の男の子です。このまま歯を並べてしまうと、上顎、下顎が広がってしまい。口元が鳥のくちばしのようになってしまいます。なので、残念ながら、4本抜歯が必要でした。お母様が医療関係者ということもあり、この抜歯が必要ですという診断に同意をしていただけましたので、治療が始まりました。
~抜歯の診断について思うこと。(個人的なつぶやきです。)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
今日、日本矯正歯科学会の代議員選挙の候補の先生から電話が来ました。私のような田舎の若輩矯正医のところに。。。。びっくりしました。なんの話???このブログを見ていただいているかたにはわけが分からないと思いますが。。。(私自身もよく分かりませんが、日本の矯正医療の質の向上の為に、投票制度になったのかな??)ただ、ただ、学会が一部の大学の先生のみによって運営されるのではなく、開業医主体の学会に変わればいいなと思います。そして、学会が認めた専門医については、専門医を与えた学会が責任を持つ、そういう治療技術評価主体の専門医制度になっていけばいいと思います。
歯科では、口腔外科、小児歯科、歯科麻酔科、歯周病科、、に厚労省の認める専門医が認められていますが、矯正歯科では、認められていません。認められるはずだったのですが、、、認められませんでした。 なぜならば、矯正歯科が、広まりすぎて、その専門医の取得イコール専門的な治療ができて、知識技術をもっている。ではないことに、異議を唱える人たちが多数いたり、学会が3つあったり。でも、よかったと思います。矯正歯科の先生たちは、自分達の分野を大事にして、むやみやたらに専門医を作らなかったのです。そして、そのおかげで、制度が、厳しくなり、例えば、現在は、日本矯正歯科学会の認定医、専門医でも、更新時に症例発表があり技術認定が行われます。実際、落ちる先生がいます。
近年、情報の氾濫、一般歯科医の矯正歯科への参入、等で、当医院の抜歯が必要ですという診断に対して、「本当に抜歯が必要ですか?」「ほかに方法がありませんか?」「抜かないで治るという本あるんですが?先生はどう考えますか?」「床矯正ってどうなんですか?」、、、、等の相談を受けます。もちろん、スタッフもふくめ、当医院では、どんな些細なことでも誠実に質問に答えることに努めています。
しかしながら、日本に歯医者さんはたくさんあり、、、違う歯科医院に相談に行く患者さんもいます。最近は、そういう方のために、セカンドオピニオンとして、新潟大学病院矯正歯科、日本歯科大学矯正歯科、、等への受診をお薦めしています。「本当に抜かなくてはいけないのか?」大学病院の先生の話も聞いてから、納得して、当医院に帰ってきて抜歯矯正をされるのも一考かと思います。ちなみに、この症例について抜歯をしなくても治るという歯科医師がいたら、専門医ではありません。自分の子供がこういう写真の状態で矯正治療を行うなら、もちろん4本歯を抜きます。そうしないと治らないからです。
当医院で抜歯矯正の診断して、他の歯科医院で「抜かないで治療できます」「床矯正で治ります。」と言われたら、そこで治療をしてもらえばいいと思います。もうそれは、しょうがないことです。でも、治らないと思います。治っていないと思います。そこの先生に治ったって言われても、専門医が見ればすぐ分かります。 実際、当医院での診断の後、他の医院でl矯正治療されて、かみ合わせがおかしいと当医院医に再来院された患者さんが何人かいます。治療した先生から紹介状があればいかようにも対応できますが、、先生に黙ってきた患者さんには、どうしようもありません。そういう時は、料金とか、訴訟とか、色々問題があるので他の矯正専門医や大学病院に紹介することにしています。
2007年9月号の日本歯科評論の紙上で、元日本矯正歯科学会会長が、「非抜歯矯正の結果の上顎前突や、物を咬めなくなる状態は、明らかな医療過誤であり、気の毒では済まされない。特に拡大床装置による非抜歯矯正の失敗例が後を絶たない。」とコメントしています。ちなみに広がった顎は狭くすることは大変です。広がった顎のせいで、口元が飛び出しても、元に戻すことはできません。そもそも、「非抜歯矯正やってます。!」って言うことがナンセンスです。そんな歯科医院インチキです。診断してみて、「「非抜歯」だ、「残念ながら抜歯しなくては、、、」という話になるわけであって。。。。。人は、一人一人顔も歯も違いますから。。
~愚痴になってごめんなさい。以上 終わりです。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
治療途中です。
治療終了です。中学3年生になりました。
新潟県上越市 かるがも矯正歯科 院長 新部洋史