矯正歯科の未来
2010年07月31日
矯正専門医向けの日本歯科矯正協会の雑誌が先週送られてきました。6月に学会があったのですが、その総括らしきものが載っていました。
抜かずに治す矯正治療、短期間で治します、年齢が早ければ早いほど治療には良い、マウスピース矯正見えない矯正、、、、、など、簡単に言うと、
矯正専門ではない先生が、患者さんを集めるために治療を行いトラブルになる話について載っていました。
矯正の先生が、「抜かなくては治りませんよ。」って診断した患者さんを、一般歯科医院の先生が「抜かずに出来ますよ。」と矯正治療し、おかしくなった話など、、、、
日本矯正歯科学会の認定医が2500人ほどしかいないのに、矯正歯科を標榜している歯科医院は、2万5千件(3件に1件)あるそうです。そして、背景には、一般歯科医院の過剰があります。そして、自費治療を増やそうとして歯科医師は、インプラントか矯正を手がける傾向にあるそうです。
さらに、矯正は、インプラントに比べ、よりお手軽で、安易に患者さんを増やす治療として、安易に治療を行う歯科医師が増えているみたいです。
ある一般歯科の先生が、初めて患者さんに矯正治療を行いました。1ヵ月後、患者さんの歯が少し動いて、「矯正治療て、意外と自分でも出来るかも。」って私に話してくれた先生がいました。
矯正治療をお手軽なんて。。矯正治療が、そこそこ出来るようになるには、成長と予後も考えると。。。。最低でも10年?は必要でしょううか?
間違いなく、日本の矯正治療の質は、アメリカの矯正と同じようにレベルが、下がってきているようです。そして、それは、結局は、日本の医療制度、経済、特に専門医制度に深く関係しています。
新潟県上越市 かるがも矯正歯科 院長 新部洋史