かるがも矯正歯科ブログ

2011年2月

2011年02月24日

 

本当に暖かくなりました。青空だと、心がスッキリするのはなぜでしょう?
この時期、診療中に受験生の患者さんにさりげなく、聞いてみます。
私「~くん、どうだった?」「春からは?」
患者さん「え、うーん。」
年齢的にも中高生は年頃なので、意外とクールです。

矯正治療中の受験生の患者さんの進路も決まりつつあるみたいですね。勉強お疲れ様でした。春からそれぞれの道で、がんばってくださいね。

 

新潟県上越市 かるがも矯正歯科(矯正歯科、歯列矯正、歯並び、舌側矯正) 院長 新部洋史

土台を広げる?

2011年02月14日

小学校高学年の子供さんの矯正相談です。
「脇の歯が生え変わっているのですが、八重歯とかでこぼこの予防はできますか?」

見させてもらったところ

・側方歯(犬歯、小臼歯)の生え変わりが始まっている
・そろそろ顎発育の成長のピーク(身長が、一番伸びる時期)を迎えそうなこと
・現在、早期接触等の問題はない

 ことから、永久歯が全部生え変わる中学生ころまで、様子を見たほうがいいです。という旨を本人とお母様に説明しました。すぐに矯正治療を始めないことを不安に思われたのか?その際に、ご両親から
1.今から、横の歯(犬歯、小臼歯)のでこぼこの予防は出来ませんか?
2.土台を広げることは、しないんですか?
3.ここでは、土台を広げる治療はしないんですね? という質問がありました。
ここで、しっかりと答えたいと思います。


1.できません。歯茎の中に埋まっている永久歯を並べることはできません。「できます、すぐに矯正装置をつけましょう。予防」しましょう。」という先生は、矯正歯科の専門医ではありません。ちなみに、この側方歯の生え変わりの時期に装置をつけるとどうなるでしょうか、側方歯が生えてきたら、その歯にに装置をつけて、また生えたらその歯に装置をつけての繰り返しです。・装置を長い間つけてると、歯根にダメージが生じます。・虫歯のリスクがたかまります。・もしかしたら、装置をつけなくても自然に並んで言ったかもしれませんもし、予防できるとしたら、生活習慣の改善くらいでしょうか?予防的な矯正治療は、できません。

2.できません。土台を下顎骨と上顎骨のことを言っているのだとすると下顎と上顎は、広げることは出来ません。広げることが出来るのは、歯の周りにある骨、歯槽骨だけです。

3.矯正歯科の専門医は基本的には行いません。行うと口が閉じにくくなるケースがあることと、後戻りが非常に多いからです。お母さん的には、床タイプの拡大床のことを言っているのだと思われます。2.で説明したように、歯の周りの歯槽骨だけは簡単に広げることが出来ます。ただし、土台を広げないで、その上の歯の周りの骨を広げてしまうと、口が前方に突出し、鳥のような河童のような口元になってしまい、口唇閉鎖が出来にくくなります。よく、耳にする「矯正治療したのに口が閉じにくくなった。」というのは、それが原因です。矯正の専門医の行うことではありません。あたかも、最新の治療のような広告が出ていますが、矯正歯科では、接着剤のなかった、昭和30年代頃、行われていました。

すぐに矯正治療を始める必要がない場合が、あります。特に、小学校高学年頃に多いですが。。。。

新潟県上越市 かるがも矯正歯科(矯正歯科 歯列矯正、歯並び) 院長 新部洋史

副作用?

2011年02月06日

千葉に歯科医師の友人がいます。彼は、矯正の専門医ではありません、熱いGP(一般歯科医)DrであるH先生です。H先生は、口腔外科が専門です。先日連絡がありました。

「矯正の先生が矯正治療をし、治療の終わった成人の患者さんを今、診ているんだけど、歯がぐらぐらしているんだよね。歯根も短くなっている(歯の長さが短くなっている)んだよね。これって、どうなの?」

私は、診ていないので、何ともいえませんが、
①矯正治療直後(月1回の歯を動かす動的治療)は、多少、歯に動揺があることがある。

②歯根の吸収(歯の長さが短くなる。)のリスクは、矯正治療の副作用としてありえる。

です。そして、通常

①に関しては、治療後、後戻り防止のリテイナーという器具を装着し、歯槽骨が安定するのを注意深く経過観察する。もちろん、経過観察中は、歯科衛生士と協力し口腔衛生状態に気をつけながら。
通常は、だんだん動揺が治ってきます。

②歯根吸収(歯の長さが短くなる。)を起こさせないように治療するのが、矯正医としてのプロの腕の見せどころです。特に
・非抜歯矯正は無理な患者さんに、無理な力で歯列を拡大する。
・矯正治療期間を短縮させようと、形状記憶の強い力のワイヤーを使う
・歯列にあっていないワイヤーを入れる
・急ぎすぎて強い矯正力を歯にかける、、、、、、
まだまだ、たくさん原因はありますが、一つ一つきちんと、やっていかなければなりません。
でも、でも、どんなにがんばっても、まれに、歯根吸収が起こってしまうことがあります。副作用です。原因は分かりませんが???矯正の専門医なら、この患者さんは歯根吸収起こりそうだなーということは経験的に分かるものです。
そして、それは、副作用とでもいうのでしょうか?矯正治療の限界だと思います。治療前によーく患者さんに説明し、同意を得なければなりません。

私の私見も入っていますが、H先生、こんなところでよろしいでしょうか?先生のますますのご活躍を期待しております。

            新潟県上越市 かるがも矯正歯科(矯正歯科、歯並び、歯列矯正) 院長 新部洋史

矯正治療は、急いだり、無理な力を加えるとよくないということです。近頃「短期間で矯正治療」という看板、宣伝、広告が多いと聞きます。歯根吸収大丈夫かな?自分の家族にはこんな矯正治療したくないな?と思っている矯正専門医は多いはずです。
矯正治療は専門性が高いため、歯科医の間でも、治療の理解に相違があります。専門が違うからです。

 



 

 

正しい情報

2011年02月02日

寒気が緩んだみたいです。
除雪のトラブルも多くあるようですが。。。
そして、今週の月曜日の朝方の停電はびっくりしました。寒さは、どうにもならなかったです。(ガスストーブがあれば、別ですが。)

上越市で、今春、子宮頸がんのワクチンに補助が出るそうです。

岩田健太郎先生のブログhttp://georgebest1969.cocolog-nifty.com/からです。

(以下引用開始)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
いただいたご質問は、

「子宮頸癌ワクチン摂取を契機にSLEを発症した女の子がいました。まれなケースでしょうけど。アジュバントとかが影響するのでしょうか」

でした。結論から申し上げると、

そのワクチン(アジュバント含む)がSLEの原因ではないと思います。少なくともその可能性は低いです。

では、その理由を説明します。

ワクチンを打った後、いろいろな病気にかかる人がいます。SLEのような自己免疫疾患というグループの病気になる人も知られています。いわゆる子宮頸癌ワクチンを打った後で、スティル病とか、ITPと呼ばれる自己免疫疾患になったという報告も出ています。

ワクチンを打った後病気になったりすることを「有害事象」と呼んでいます。問題は「有害事象」と「副作用」は同じではないということです。有害事象はワクチンを打った「後で」起きた病気(など)、副作用はワクチンを打った「から」起きた病気(など)を意味します。難しい言葉を使うと、前者は前後関係、後者は因果関係を表しています。

前後関係と、因果関係は違うものです。ここは大切な点です。

おもちを焼く。おもちがぷくーっと膨れる。これは因果関係です。おもちを焼いた「から」おもちはふくれたのです。そして、おもちを焼かなければおもちはふくれません。

おもちを焼く。郵便配達さんが年賀状を届けてくれる。これは前後関係です。おもちを焼いた「後で」年賀状が届いたのであって、おもちを焼いた「から」年賀状が届いたのではありません。仮におもちを焼かずにあんパンを食べていても年賀状は届いたのです。

前後関係と因果関係の違い、おわかりいただけたでしょうか。

さて、「子宮頸癌」ワクチンを打ったあとでSLEになった人のことは報告されています。が、おそらくそれはワクチンを打ったあとにSLEを発症した、つまり「前後関係」であり「因果関係」ではなさそうだと考えられています。どうしてそういうことが言えるのかというと、このワクチンを打った後でSLEになった人と、プラセボ(ワクチンに見せかけた偽ワクチン)を打った後でSLEになった人の数を比べてみたら、違いがなかったからです。英語ですけど、そういう論文が出ています。この論文でHPVと書いてあるのが「子宮頸癌ワクチン」のことです。

http://qbit.cc/blog/wp-content/uploads/2009/09/oil-adjuvant-safety-GSK.pdf

因果関係と前後関係はとても間違えやすいのです。僕たちはしばしば起こったことに「因果」を見つけようとします。ワクチンを打った後こんな病気になった、、、、という事例はたくさんありますが、その多くは「前後関係」でした。でも、親御さんにとって(あるいは本人にとって)はとてもショックな出来事なので、「これはワクチンのせい」とどうしても考えたくなってしまうのです。

さて、僕は先に

そのワクチン(アジュバント含む)がSLEの原因ではないと思います。少なくともその可能性は低いです。

と書きました。なんか歯に物のはさまったようなあいまいな言い方ですね。

というのは、副作用って難しいんです。今は分からなかったことが科学が進歩すると分かることがあります。今現在の科学では「子宮頸癌ワクチン」が原因でSLEになったりしないと僕は思いますが、「絶対に」ならないとは限りません。将来科学が進歩したら、そういう発見が起きるかもしれません。だから、僕は「可能性は低い」という腰がひけたような言い方しか出来ないんです。

さて、できるだけ簡単にご説明したつもりでしたが、ずいぶんとくどくどした、うっとうしい、回りくどい説明になりましたね。申し訳ありません。でも、医学について語るとき、僕らはこのような形でしか語ることが出来ないんです。

医学とか教育学とか、こうした複雑な人についての学問は、数学とか物理学みたいにクリアカットでないことが多いのです。分かりづらいのです。説明しづらいのです。どうがんばっても、そうなってしまいます。正しく伝えようとすればするほど、回りくどい言い方になってしまいます。

逆に言うと、新聞とかテレビで流されている医学の情報はとても分かりやすいですよね。「○○を飲むと健康になれる」とか「こうすれば癌にならない」とか、「このワクチンで副作用が多発した」みたいな断言的な口調です。

断言的な口調には要注意です。断言できっこないことを断言しているからです。残念ながら、テレビ番組の医学情報はほとんどでたらめか、おおげさか、まぎらわしい情報で、正確なところが伝わる番組はごくわずかです。医学における新聞記事もほとんどがでたらめか、おおげさか、まぎらわしいです。本屋さんに行って「健康、医療」のコーナーに行くとき、「癌にならないためのなんとか」みたいな本も、ほとんどでたらめか、、、、以下同文です。信じがたい話かもしれませんが、そうなのです。

テレビや新聞の人たちが、自分たちの語り口を変えようと自ら変わろうとしない限り(僕はそれ以外にテレビや新聞が生き残る道はないと思っていますが)、少なくとも医学に関する限り、もしJeanさんが正しい情報を得たいと思うのなら、テレビでみのもんたさんたちがしゃべっていることも、新聞の社説や記事で書かれていることも、いっさい当てにしないほうが、うまくいく可能性は高いです。

いずれにしても、SLEを発症したその方の治療がうまくいくことをお祈り申し上げます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~(以上、引用終わり)

これらの内容について、私は専門外ですが、インプラント(誰でも咬めるようになります)、矯正治療(短期間で抜かずに治療できます)についてのマスコミ(TV,本)の話と一緒だと思いました。

新潟県上越市 かるがも矯正歯科 (矯正歯科、歯並び、歯列矯正) 院長 新部洋史

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