ムーシールド
2015年02月25日
写真は、ムーシールドというマウスピースタイプの矯正装置です。
乳歯列(2歳〜6歳)の反対咬合(受け口)を治す装置です。
当医院で、最近、問い合わせがあったので、この装置について書こうと思います。
矯正専門の先生であれば、ご存知の方が多いとおもいますが、似たような装置は、バイトプレート、、、等、昔からたくさんあります。
決して、最新の治療法ではありません。
一般歯科の先生からよく質問されるのですが、この装置は、下顎骨の成長を抑制する装置ではありません。、、治る機序は、右の写真にあるように乳歯の噛み合わせにマウスピースを一枚挟んで、下顎骨を下後方に回転させて、噛み合わせを改善します。(少しムズカいしい話ですが、、)
ここで、大切なことがいくつか?あります。
1、乳歯列と永久歯列は全く別物であるということ。乳歯列を治療しても永久歯列はそれとは同じにならない。
2、乳歯列の反対咬合の約半分は、乳歯の前歯が抜けて、永久歯に生え変わる小学2−3年生の頃に自然に治る。
3、骨格的に下顎骨が大きい患者さんは、使っても効果がない。
なので、
「ムーシールドを使って、治った症例は、使わなくても治ったかもしれない。」
「ムーシールドを使っても、一期治療(小学低学年の頃の矯正治療)、二期治療(小学6年生以降の永久歯列の矯正治療)が必要になる場合がある。」
よって、当医院では、この装置について積極的にはオススメしていません。
この治療をして、悪くはならないけれど、無駄になってしまうかもしれないからです。
新潟県 上越市 かるがも矯正歯科(歯並び 矯正歯科 顎変形症)院長 新部洋史