二期治療(叢生) 早期接触、スタンダードな矯正治療手順
2016年09月22日
中学1年生です。他の歯科医院のい先生からご紹介いただきました。叢生です。叢生とは、歯のでこぼこをいいます。
上の写真は噛みこむ直前です。下の写真は、噛みこんだときです。
歯の叢生(でこぼこ)のせいで、最初に上の左1番が、下と当たって(上の写真)、わずかに右に下顎がずれるように噛んでいます(下の写真)。叢生(でこぼこ)があると、そのために、噛むときにどこかの歯が先に下の歯と接触してしまい、顎がずれるように噛みこむことが多くあります。これを早期接触と言います。本来は、上の写真の位置で顎は、噛みたいのだけれども、叢生のせいで、本来とは違う位置に顎が誘導されて噛みこんでいるということになります。
この早期接触は、矯正治療を受けようとする患者さんによくあることです。
叢生の度合いが強いため、成長が見込めないため、残念ながら4本抜歯を必要となりました。
以下に治療手順を示します。
「レベリング」と言います。抜歯後、歯のでこぼこを取ります。約4〜5ヶ月位かかります。
次の段階が「犬歯の遠心移動です。」この犬歯の位置により、前歯の位置が決まります。約6ヶ月くらいかかります。この段階を、踏まずに、次の「前歯の遠心移動」を行う術式、やり方もありますが、、、私は、基本的には、この段階を踏みます。なぜなら、ここを省略すると、期間は短縮しますが、後々、犬歯の位置が、決まらないと、前歯の前突感が残ったり、真ん中の線が合わせ切れなかったりします。
「前歯の遠心移動、空隙閉鎖です。」スペースがなくなります。
最後に「アイデアルアーチ」をいれて、微調整します。
噛みこんで、犬歯誘導が確立したら、装置除去です。
材料、技工の進化により、矯正治療が流れ作業的、システマチックになり、矯正が専門でない歯科医師でも矯正治療ができるようになりました。
この基本が分かっていないと、難易度低い典型的な症例には、対応できますが、難症例には、対応できません。
最近の若い矯正の先生でさえこの基本を知らない?先生が多くなったそうです。
新潟県 上越市 かるがも矯正歯科(歯並び 矯正歯科 歯列矯正)院長 新部 洋史