かるがも矯正歯科ブログ

2017年10月

早期治療をしないほうがいい場合

2017年10月12日

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今回は、早期治療についてです。矯正専門医として答えます。

・『年齢が早ければ早いほど矯正治療は効果がある』とういうのは嘘です。そのように矯正治療をすすめる歯科医師は矯正を専門医としていないと思われます。その医院では矯正は止めましょう。早く治療しても意味がない場合があります。治療開始時期は、症例によって違います。それを判断するのが矯正医です。矯正学の教科書に『年齢が早ければ早いほど矯正治療は効果がある』なんて文言は全くありません。

・なぜならば、乳歯と永久歯は別物だからです。乳歯を矯正治療しても永久歯がそのようには並びません。実際、例えば、乳歯の反対咬合の半分は、永久歯に生え変わる時に治るという有名な論文があります。それなのに乳歯列の反対咬合を治そうとするのは過剰治療です。

・「すぐ矯正治療することによって、顎を広げます、大きくできます」とか、「年齢が早くから矯正治療すれば、抜歯矯正をしなくてもすみます」など、すべて嘘です。歯並びや顔立ち下顎骨や上顎骨は遺伝的要因が強く、大きくしたり小さくしたりするのには限界があります、身長が低い人を高くすることは、基本的にはは不可能なのと同じです。

・最近、矯正専門医以外の一般歯科医による意味のない早期治療がが目に余るため、学会が、ガイドラインを出しました、早期治療しないほうがいい場合です。http://www.jso.or.jp/html/aboutjso/pdf/guideline_jso.pdf

 

・昨年、車を新車に替えました。営業マンは、『今月中に買え変えるとお得ですよ。』『今月中に返事もらえればさらに、もうすこし安くします。』。。。。。など、とにかく早く早くとういう感じでした。『年齢が早ければ早いほど矯正治療に効果がある』という医院、歯科医師は、それに似ています。

・現在、日本の矯正治療は全体的に、質が低下していると学会等でいわれています。患者さんは、噛み合わせについてよく理解していないことをいいことに、残念ながら意味のない矯正治療が全国に蔓延しているようです。一般歯科医院より当医院に転医した矯正患者さん(一般歯科の先生が自ら行った矯正治療)の口のなかを見ました。「ひどい治療だなー」と思いながら、患者さんは本当に気の毒だなと思うことが最近もありました。勉強をして訓練を受けて、トレーニングをを積んだ矯正医が矯正治療をしない限り日本の矯正治療の質は下がる一方だと思う今日この頃です。

 

新潟県 上越市 かるがも矯正歯科(矯正歯科 歯並び 小児矯正)院長 新部洋史

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